腎臓内科
当院では、近年増加しつつある「慢性腎臓病(CKD)」治療に対し、地域の皆さんのニーズにお応えできるよう、平成26年9月に透析室を開設しました。
専門医療分野 : 透析へ
腎臓病は軽微な症状で始まり、知らない間に進行して腎不全に陥ってしまうこともままあります。当院の腎臓内科では、軽度の尿異常などから、できるだけ早い段階で的確な診断をし、治療を開始することを大切にしています。
患者さんの治療選択の幅を広げていただくために、令和元年6月より専門医師を招き、腹膜透析の導入・治療を行っております。
診療内容は、腎炎の診断と治療、慢性腎不全の保存療養、急性腎不全の治療、血液透析の導入、腹膜透析の導入、透析患者の合併症の治療、各種吸着や血漿交換療法、および維持透析患者の管理などです。
患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、スタッフ一同取り組んでいきますのでよろしくお願いします。
腎臓内科 部長
吉川 和幸
診療時間
診療科目や専門外来によって、診察可能な日時が異なります。事前にご確認ください。
外来診療担当表
対象疾患
疾患
慢性腎臓病(CKD)(腎機能の低下もしくは尿たんぱく陽性など)
慢性腎炎・ネフローゼ症候群(検尿異常、腎機能低下やむくみ)
急性腎障害(急激に腎機能が悪化する病態)
腎硬化症
多発性嚢胞腎
膠原病などの疾患
電解質異常(腎機能低下、内分泌疾患、尿細管障害によるもの等)
高血圧症 など
以下のような症状の方が対象です。
- 健康診断の尿検査の項目で異常を指摘されたことがある。
- おしっこの色が変だと感じたことがある。
- おしっこが泡立っていると感じる。
- 夜間に何度もトイレに行く。
- 顔色が悪いと言われることがある。
- 疲れ易い。疲れが抜けない。息切れがする。
- 靴や指輪がきつくなった。むくみを感じる。
資格等
医師の専門性資格
[ 厚生労働省医政総発0124第1号通知に準ずるもの、および日本専門医機構認定の資格等 ]
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本腎臓学会腎臓専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
本老年医学会老年病専門医・指導医
その他資格等
米国内科学会上級フェロー
医師紹介
専門分野 FIELD
腎臓病学、糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病、透析療法
患者さんへのメッセージ MESSAGE
これまで慢性腎臓病の患者様に他科の先生と連携をしつつ腎機能保護療法を提供し、透析患者様にも『心のこもった医療サービスを提供し、地域社会に奉仕します』を基本理念に医療活動を続けております。
2014年に当院に赴任し、透析治療を開始致しました。オンラインHDF・ I-HDF(間歇置換型血液透析濾過)といった新たな治療方法も可能となり、若い患者様から高齢の患者様まで幅広く、患者様個々の病態にあった透析が行えるように心がけております。
また当院の特徴としてシャント管理も積極的に行っております。シャントエコーから治療まで完結に行っております。 シャントトラブルは早急な処置を必要としております。経皮的血管形成術(以下 PTA)、シャント作製・再建、グラフト移植など心臓血管外科と連携し治療を行っております。
今後も患者さまに信頼され愛される透析室であるようスタッフ全員で努めて参ります。また見学は随時行なっておりますので、気軽に病院までご連絡下さい。
大阪医科薬科大学腎臓内科(特別職務担当教員)
専門分野 FIELD
腎臓病学、糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病、透析療法
患者さんへのメッセージ MESSAGE
尿検査異常から腎炎、ネフローゼ、慢性腎臓病、糖尿病性腎症、末期腎不全、透析療法などの腎疾患全般、さらに膠原病・血管炎などの特殊な疾患まで幅広い診療を行います。
腎不全が与える身体的、精神的影響を患者さんが理解できるよう努めています。腎代替療法が必要になったときには特定の療法に固執することなく患者さんにとって最適な腎代替療法を提供しますが、腹膜透析(PD)ファーストを推進しています。また、各種アフェレーシス療法にも対応しております。
遺伝腎疾患の中で特に頻度が高い常染色体優性多発性囊胞腎に関してはトルバプタンを用いた治療に対応しております。
実績
治療数
主な検査・治療
検査
腎生検
腎臓の組織を顕微鏡で観察します。複雑な腎臓病を診断し治療方針を決めるために、とても大事な検査です。当院では、電子顕微鏡検査まで必ず実施しています。背中から針を用いて検査するので、安全に確実に検査するには入院が必要です。腎生検だけが目的であれば、入院期間は三日間程度です。超音波・CT・MRI検査
腎臓の大きさ、血液や尿の流れを調べる検査です。血液・尿検査
腎臓の働きを知るだけでなく、病気の原因、腎臓にかかる負担の程度、治療効果の判定をします。クリアランス試験
イヌリンという物質を点滴しながら約1時間に尿に排泄されるイヌリンの量を正確に測定することで、腎臓の働きを最も正確に調べることが可能です。糸球体ろ過値という基本的な検査ですが、三重県内の腎臓内科でこの検査を日常業務として実施しているのは当科だけです。蓄尿検査
腎機能の評価、治療効果の判定、食養生の検定などのために行います。当院では、蓄尿している患者さんには、『その日の塩分や蛋白質の推定摂取量』がすぐに分かるように表にしてお渡ししています。治療
•1つ目は、血管に2か所の針を刺すことで血の通り道を確保して血液透析専用装置を用いて血液を直接きれいにする「血液透析」です。日本における維持透析としては、こちらが一般的なものと言えます。
血液透析は一般的に週3回、1回あたり4時間の治療が必要です。
腹膜透析はご自宅等にて患者さんやご家族の方々などに行っていただく必要がありますが、外来通院は月に1~2回です。
・ショック、術後の急性腎障害や多臓器不全の際に行う「持続的血液浄化療法」
・細菌感染にともなう毒素を吸着する「エンドトキシン吸着療法」
・自己免疫疾患に対する「血漿交換療法」・「吸着療法」
・炎症性腸疾患に対する「顆粒球除去療法」