放射線室
部門説明
放射線科は、全身のX線撮影(レントゲン検査)、マンモグラフィ、骨密度検査、X線TV透視、CT・MRIによるコンピューター断層撮影、血管病変の診断や血管内治療を含めた血管造影検査(アンギオ検査)などを行う画像診断部門です。
画像診断は多くの疾患の診断に必要不可欠で、病院を訪れる患者さんの多くが画像診断検査を受けることになります。適切な画像検査の実施と正確な読影は、病気の診断・治療にとって非常に重要な役割を果たします。当院放射線科では放射線診断専門医が診療放射線技師とともに、最新鋭の画像診断装置を用いて診断・治療に必要な画像を提供し、安全・迅速・正確な画像診断に努めております。
放射線科では、放射線科専門医1名を中心に診療放射線技師10名で構成されています。質の高い画像情報の提供に努め、患者さんひとり、ひとり丁寧に検査し安心できる検査を心掛け業務に取り組んでいます。
対応業務
(血管造影室)
CT
【CT】
多方向からX線を照射し、コンピュータを使って身体の断面を撮影する検査です。脳、体幹部、血管、骨などあらゆる部位の撮影ができます。造影剤を使用して、より詳細な画像を撮ることもあります。当院ではPHILIPS社256スライスCT「Brilliance iCT」を導入し、広い範囲を短時間で撮影できます。画像再構成に「iDose4」を使って被ばくを抑えた検査も行っています。
【冠動脈CT】
心臓を栄養する冠動脈という血管を、造影剤を使って撮影します。冠動脈の狭窄や石灰化、ステント内の評価などが可能です。「Step&Shoot」を用いて従来の方法よりも被ばくの少ない検査を行っています。
臨床画像
心臓血管
治療前
カテーテル治療後
MRI
Magnetic Resonance Imaging (核磁気共鳴画像)の略で、強力な磁石と電磁波を使って体内の臓器の断面図を写真にします。X線を使わずに撮影できるため、放射線被ばくはありません。ただし検査時間に部位や撮影の種類によって20分~60分かかります。またもう一つの特徴として撮影している間は「ガンッガンッガンッ・・」や「トントントン・・」など様々な工事現場のような音が大きく鳴り響きます。中の機械が動いている音で、痛いことはないのでご心配いりません。ご不明な点やほかに不安な点があれば気兼ねなく当院スタッフへお声がけください。MRI室スタッフ一同、患者さんに安心して検査を受けていただくために誠心誠意応えていく所存でございます。
心臓
心筋梗塞
正常な心筋
乳腺
乳がん肩関節
腱板断裂膝関節
半月板損傷腰椎
椎体骨折頭部
脳梗塞腹部
アンギオ室(血管造影室)
当院には2台のアンギオ装置があり、一度に2方向から撮影することができるバイプレーン装置と、より清潔度の高い部屋で、外科的治療と血管内治療のHybrid手術が可能な血管造影装置があります。
アンギオ検査は、目的とする血管にカテーテル(細く柔らかい管)を挿入し、造影剤を使って様々な血管を選択的に造影する検査です。
検査の種類には、心臓カテーテル検査・腹部血管造影検査・四肢血管造影検査などがあります。検査だけではなく、血管拡張術やステント留置術、動脈塞栓術など、治療を目的とするIVRが主になっています。これらの治療は低侵襲かつ速やかに血行再建ができるといった特長があります。その他にペースメーカー・CVポートの埋め込み術、カテーテルアブレーションという不整脈治療なども行っています。
アンギオ室では、医師・看護師・診療放射線技師・臨床工学技士etcのチーム医療にて手術を行っています.
臨床画像
*左上〇印の画像は血栓により冠動脈閉塞をおこし抹消が造影されていませんが、血栓吸引後の右上の画像では抹消まで血管が造影され再灌流しています。
*左下〇印の画像は石灰化などにより冠動脈狭窄をおこしていますが、バルーンによる拡張やステントを留置することで血管拡張を行い、右下の画像のように病変部の血管が拡張されています。
TV透視
Ⅹ線を用いて人体の透視をリアルタイムで動画として観察する検査です。脱臼や骨折に対する整復術や、嚥下造影、胃のバリウム検査をはじめ食道や胆のう、小腸や大腸などの消化器検査を内視鏡と併用した検査や治療も行います。
代表的な検査
- 胃透視・注腸検査:バリウムを使用して胃・大腸を調べる検査です。
- 嚥下造影検査:嚥下期間の動きと飲食物の通過、誤嚥の有無を動画で記録し、観察する検査です。
- 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP):膵疾患や胆道疾患の診断・病変部位の決定を行い、疾患によっては結石の除去やステントを挿入したりなどの治療を行います。
マンモグラフィ
マンモグラフィ検査とは乳房のX線写真のことです。
乳房の大分部は乳腺と脂肪組織でできているため、乳房専用のX線撮影装置を使って撮影します。
マンモグラフィではしこりとして触れない、ごく早期の乳がんも発見することができます。早期発見・早期治療をすることにより、完治する確率が高くなり、乳房温存療法も可能となり、治療後もQOL(生活の質)を下げることなく過ごすことができます。
検査では、乳房を引き出し圧迫します。適正に圧迫することで、乳腺の重なりと放射線被ばくを減らし、より良い写真を得ることができます。
撮影には、女性の検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師が対応します。
一般撮影
一般的には「レントゲン写真」と呼ばれており、胸部・腹部・全身の骨など、体のすべての部位を撮影することができます。
一般撮影でわかる代表的なものは、骨折・腹部のガス異常・軟部組織の腫瘍や血腫・胸部の炎症や腫瘤・石灰化など様々です。
当院ではFPD(フラットパネルディテクタ)を使用し、撮影から画像処理までの時間短縮と放射線被ばくの低減に寄与しています。
また、長尺撮影では、全脊椎や下肢全長の広範囲の部位を1回の撮影で行えます。
骨密度検査
骨に含まれるカルシウムなどのミネラル成分の量、骨塩量を測定する検査です。
骨塩量を面積で割った値が骨密度となります。
二種類のエネルギーのX線を照射し、それぞれについて透過したX線の強弱から骨密度を測定するDEXA法で検査を行っています。