透析センター
ABOUT
当院は近隣地域に安全かつ安定した地域貢献型の治療を実施しています。
新病棟の5階には、最新の設備を備えた透析センターがあり、患者様それぞれのニーズに合わせた細やかな治療を提供しております。
人工透析とは
人工透析とは、腎炎、高血圧、糖尿病などの疾患によって腎臓の機能が低下してしまった患者さんを対象とした治療方法です。
この治療では、腎臓が果たすべき役割を代行して血液中の老廃物や過剰な水分を除去します。
通常、この治療は1日あたり約4時間、週3回のペースで行われ、患者さんの体内のバランスを維持しながら生活の質を向上させることを目指します。
永井病院の透析センターについて
当センターには28床のベッドが設置されており、それぞれに透析用監視装置が完備されています。
患者さんが快適かつ安全に透析治療を受けられるよう、専門の医師、看護師、そして臨床工学技士が全力でサポートしております。
景色の良い透析室 hospital room
5Fに位置する透析センターは、津市街の絶景を一望することができるフロアにあります。。
ラウンジ lounge
透析センターの入口には、患者さんはもちろん、ご家族や付き添いの方々もくつろげるようにエントランスを特別に設けています。
週3回の通院や治療前後の時間に、休憩や食事を行うことができる空間となっております。
診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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9:00〜12:00 (受付時間 08:10〜11:00) |
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13:30〜17:00 (受付時間 12:30〜15:30) |
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透析担当医師より
腎臓病は軽微な症状で始まり、知らない間に進行して腎不全に陥ってしますこともままあります。
当院腎臓内科では、軽度の尿異常から早期に的確な診断をして治療を開始し、腎炎の診断と治療、慢性腎不全の保存療養、急性腎不全の治療、血液透析の導入、透析患者の合併症の治療、各種吸着や血漿交換療法、および維持透析患者の管理を主な業務としています。患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、スタッフ一同取り組んでいきますのでよろしくお願いします。 ゆったりとくつろぐ場所としてエントランスを設けました。
週3回の通院や治療前後の休憩や食事を行う事ができます。
腎臓内科 部長 吉川 和幸 Yoshikawa kazuyuki
当センターの特徴
他の病気やケガで入院治療しながら、透析治療もできる
当院では、他の病気やケガで入院が必要な方にも、透析治療を安全かつ安心して受けていただくことができます。
心臓血管センターのみならず、消化器外科・内科や整形外科など、各診療科との密接な連携を活かし、様々な専門領域での入院治療に柔軟に対応しております。
シャントトラブルに対応
透析治療を効率的に行うためには、1分間に200ccの血液を浄化する必要があります。これを実現するため、血流を確保する特定の血管(バスキュラーアクセス)の手術を事前に行います。
具体的には、
① 内シャント:動脈と静脈を直接結びつける手術
② 動脈表在化:深部の動脈を皮膚表面へと移動させる手術
特に、これらの手術は心臓の機能が低下している方に推奨されます。
透析を長期間受けていると、血栓ができたりすることで血管が狭窄・閉塞したりすることがあります。
血管が狭窄してしまい、血液の流れが悪くなると、そのまま放置すると閉塞の危険性があります。
そのための治療として、血管を広げる風船(バルーン)をカテーテルで挿入し、血管の内側から拡張させる治療など、様々な方法での対応が可能です。
心臓の合併症にも対応
透析を受けられる方には、命に最も関わる合併症として、「心血管系の合併症」があります。
心臓血管センター内で専門医やスタッフと連携し、それらの心疾患にも適宜対応しています。
特殊血液浄化療法も実施
腎不全に対する血液透析療法の実施や新規導入だけでなく、薬物中毒、敗血症、劇症肝炎、肝不全、心不全、多臓器不全、自己免疫性疾患のギラン・バレー症候群、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス等に対するさまざまな特殊血液浄化療法を積極的に行っています。
患者さんにあわせた治療提供
電子カルテと透析システムを連携する事で検査データ等、透析治療に必要な患者さんのデータを総合的に集約する事でより良い治療の提供を迅速に行う事ができます。
透析システムの導入は個人個人の細かな設定を更に行う事が可能で通常透析(HD)や間欠補液血液ろ過透析(I-HDF)等各種治療モードを細かく設定ができます。
当院では最新の透析システムを導入しています。受付後、体重計に乗るだけで透析システムから直接患者監視装置に患者さんのデータが送信されるため、人為的な入力ミスを防ぎ安全な透析を行います。患者さんの治療内容に合わせた細かい装置設置が可能になり、それぞれの患者さんにあった治療が可能です。
透析液清浄化への取り組み(安心できる治療)
通常、透析液は水道水を純水化した後、薬剤と混合して作られます。
当院では、この水道水を純水化するRO装置を使用し、エンドトキシンフリーの超純水の製造が可能な環境を実現しています。
透析室の専門スタッフ(水質管理者)が日々清浄化管理検査を行い、より安全で清潔な透析液の提供を心がけています。
個別透析室
緊急時の対応や、より重篤な患者さんへの対応を強化するため、集中治療室(ICU)とは別に、透析センターには個室を2室設けております。
この個室は、通常の透析センターの入口とは異なる位置にあり、入院病棟から直接アクセスできるように設計されています。
当センターで対応できる治療について
当センターでは、標準的な透析治療だけでなく、多岐にわたる治療を提供しています。
これらの治療法も基本的には透析の原理に基づいており、患者さんのニーズや症状に合わせて、適切な器材や装置を用いて対応しています。
● 持続的血液透析濾過法(CHDF)
循環動態に急な変化をあまり与えず、1日24時間休みなく、補液と同時に水分を除去する方法です。循環動態が不安定な腎不全、重症急性膵炎、劇症肝炎、急性心不全などの重症症状の患者さんに適応します。
● エンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)
グラム陰性菌などから発生する細菌毒素を除去し、敗血症ショックのリスクを減少させる治療法です。
● 単純血漿交換法(PE))
血液中の不要なたんぱく質を取り除くため、血球を除く血漿成分を交換する治療法で、主に免疫異常を伴う疾患に適応されます。
● 白血球除去療法(L-CAP) & 顆粒球除去療法(G-CAP)
潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さん向けの治療手法として、当院ではL-CAPやG-CAPを取り入れています。
● 腹水濾過濃縮再静注法(CART)
肝硬変や癌性腹膜炎などの患者さんの腹水を取り出し、濾過して悪性の細菌や癌細胞を取り除き、たんぱく質が濃縮された腹水を体に再注入する治療法です。
● 腹膜透析(CAPD・APD)
慢性腎不全の患者さんのための透析療法では、血液透析のほかにも腹腔内に透析液を導入し、腎臓の機能を代行する腹膜透析があります。
この方法は一日に数回の透析液交換が必要ですが、自宅での実施が可能なため、勤務中の方や血液透析の通院が難しい高齢者の方にも適しています。
また、日中の透析液交換が難しい場合、就寝時に機械が自動的に透析液の交換をする「自動腹膜透析(APD)」にも対応可能です。
腹膜透析
当院の透析室では毎週金曜日の9:00~12:30に腹膜透析外来を行っています。
腹膜透析とは?
慢性腎不全の方がお腹の中(腹腔)に透析液を入れて、腎臓の役割の代行をする透析療法です。一日に数回の透析液の交換が必要ですが、ご自宅で行う事ができる治療のため、働かれている方・ご高齢で血液透析の通院が困難な方など患者様のライフスタイルに合った治療が可能です。
また日中の透析液の交換が難しい方は、就寝中に機械で自動的に透析液の交換を行う[自動腹膜透析]も対応していますので、外来時にご相談ください。
血液透析と腹膜透析の違い
血液透析 | 腹膜透析 | |
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透析をする場所 | 病院 | 自宅・職場 |
治療の提供者 | 病院スタッフ | ご本人・ご家族 |
拘束時間 | 1回3~4時間 | 1日4回(1回30分程度) |
通院回数 | 週3回 | 月1回 |
透析効率 | 高い | 血液透析に劣る |
心血管系への負担 | 大きい | 小さい |
透析食の提供
当院では、昼食に透析患者様向けのお弁当を提供しています。管理栄養士が献立を作っているため、安心して食べていただけます。1食400円で提供しているため、ご要望の方は透析スタッフへお申し付けください。
献立の例
①米飯・鮭西京味噌漬け焼き・ポテトグラタン・白菜中華煮
②米飯・ロール豚カツ・ほうれん草煮びたし・コンソメ煮
栄養価
①エネルギー:569.5kcal・蛋白質:26.5g・塩分:2.4g
②エネルギー:711.6kcal・蛋白質:22.4g・塩分:2.5g