今回は、リハビリテーション室と栄養室が共同で担当します。

私たちの身体は、動かない状態が続くと筋力や体力が低下し、日常生活動作や歩行が困難となってしまいます。近年は、骨折などの手術後や、病気の後は早期からリハビリテーションを行い、筋力を向上させ、体力を回復させることが大切と言われています。しかし、入院している患者さんの多くは低栄養状態にあり、リハビリテーションを行っても日常生活動作の向上が得られにくいとの報告もあり、リハビリテーションを行う上で、適切な栄養管理が重要となります。

当院では、急性期における運動器疾患、脳血管疾患、心疾患、呼吸器疾患、がんのリハビリテーションを行っています。高齢の患者さんが多いため、二次合併症の予防にも力を入れています。医師、看護師、リハビリスタッフ、栄養士、薬剤師、医療相談員が連携し、回診やミーティング、カンファレンスを通じて、それぞれの患者さんの経過や退院に向けた情報を共有しています。

　リハビリスタッフと管理栄養士とのミーティングでは、患者さんの背景や、現状、退院に向けての相談、今後の対応などを話し合っています。リハビリスタッフからは、運動量に合った食事摂取量の調整（食事量が不足している場合は高カロリー食の付加）や、筋力強化に向けてタンパク質の量を調整してもらえるように管理栄養士に依頼しています。管理栄養士は患者さんや家族へ、退院後の食事管理、食事摂取量、減塩などについて指導を行っています。

👆️心疾患患者さんにお渡しする塩分チェックシート

　リハビリテーションにて毎週体重測定を行っています。これにより、全身状態の評価や栄養アセスメントを行い、必要栄養量や飲水目標量の設定に反映させています。栄養強化が必要な患者さんには、栄養補助食品の提供や、当院独自の「プラス1品メニュー」を追加で提供しています。

👆️ プラス一品メニューのご紹介

患者さんがリハビリテーションを行う上で必要な栄養量を摂取できるように、多職種が連携して病棟での生活を支援していきます。