【診療放射線技師×臨床検査技師】検査でのチームワーク! ~エコノミークラス症候群、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症について~
今回は診療放射線技師と臨床検査技師が共同でコラムを担当いたします。
長時間足を動かさず、同じ姿勢でいると、足に流れる静脈の中に血のかたまり(血栓)が出来てしまう可能性があります。
これを"深部静脈血栓症(DVT)"といい、また、静脈内に出来た血栓が血流にのって肺まで運ばれてしまい、肺の血管を塞いでしまうことがあります。
これを肺塞栓症といい、"エコノミークラス症候群"という病名で知られています。
血栓ができる原因は様々ですが、例えば旅行で長時間の移動中に座ったままの状態であったり、手術後など入院中に身動きが取れず、寝たきりの状態の際などが挙げられます。
その他にも災害時(能登半島地震や東日本大震災のような長期的に避難が必要な災害)でも発症しやすい傾向があり、この病気が原因で亡くなった方も少なくありません。
病気を見つけるために、私達技師は医師からの指示に基づき血液検査や画像検査を行います。
血液検査では血栓に関連する指標として「Dダイマー」という項目があります。
この値が高い場合、体内に血栓が存在する可能性が考えられます。
👆️エコー検査とCT検査の様子
また、超音波を使用して血栓や血管の異常などを評価するためにエコーでの検査や、X線と造影剤を組み合わせて高解像度の断層画像を得る造影CTなどを行う場合もあります。
エコー検査では足にエコーをあてることで血管内の血栓の有無が確認できます。
実際のエコー検査での画像がこちらです。
矢印で示されているのは血栓です。色がついている部分は血流があり、血栓がある部分は血流がなく、色がついていません。
造影CTでの検査は、深部静脈血栓の評価と肺塞栓の有無も同時に確認することができます。実際の造影CTの画像がこちらです。
左側2枚の画像が肺を血栓で塞いでいる状態で、図の矢印で示した箇所(黒く抜けているところ)に血栓があります。
右側の画像には深部静脈血栓が映っており、図の丸印で示した範囲に静脈内血栓があります。
[写真] ㊧ 臨床検査技師|㊥ 循環器内科 仲田部長|㊨診療放射線技師
「チームワークはバッチリです!」
DVTに不安を感じる方や治療を希望する方、その他、気になる点やご不安な点が