
排便コントロール ①
下痢や便秘といった排便障害にはいろいろな原因があり、入院患者さんでも相談を受けることが多々あります。
特に感染症、薬剤や経腸栄養投与の影響、その他の原因でひどい下痢症状がある場合、栄養管理室では2種類の菌末を使って対応しています。
まず、下痢を発症して最初は ”ビフィズス菌末BB536” という商品。
こちらはビフィズス菌が生きたまま大腸に届くという特徴を生かして、腸内を悪玉菌から善玉菌の多い良い環境に変えてくれる働きがあり、まず10日ほどこの菌末で様子を見ます。
そして、町内環境が整ったら、次に使用するのは”おなか活き活きビフィズス菌”です。
この菌末は、ビフィズス菌だけでなく、そのエサとなる乳酸菌やオリゴ糖、水溶性食物繊維などを含み、腸内をさらに善玉菌の多い環境へと変えていく働きがあります。
最初は何となく、
”この菌末を使うと下痢が改善するような気がする…”程度の感想でしたが、何症例も試すことで、その効果が実感できるようになり、今では栄養管理室の下痢対策のプロトコールとして形になりつつあります。
昨年は、CDトキシン陽性での下痢の方に続けて6人ほどにこのプロトコールで試しましたが、皆さん1週間程度で改善が見られ、CDトキシンも全て陰性になったという症例も出来ました。
経腸栄養剤の方には水に混ぜて、そして食事が食べられる方には飲み物やヨーグルトに混ぜてと、幅広く使用しています◎
2019.02.14 13:13|日記
排便コントロール②
前回下痢対策の紹介をしましたが、今回は逆の便秘についてです。
便秘の相談を受けた際は、乳製品や、食物繊維を含む補助食品を付加して様子を見ることからはじめますが、今回は初めてオリゴ糖を使う試みをしました。
以前からメーカーさんには
”便秘にはオリゴ糖”というご意見をいただいていましたが、試すのは今回が初めてです。
ヨーグルトに小さじ1杯程度のオリゴ糖をかけて、1日1回2週間の予定で様子を見ることにしました。
少しでも改善が見られ、患者さんの悩みの軽減に役立てば…と願っています。
そして新たな、排便コントロール対策が出来ればと考えています。
2019.02.14 13:12|日記
災害用非常食
栄養管理室では、災害時用の非常食や飲料水を備蓄しています。
昨年の増築棟の完成の際に、災害用の倉庫が新たに確保され、今回食品の引越しを行いました。
水や食品、使い捨て食器などたくさんの種類の物品を備えているため、ステージ毎に立てた献立に応じて使用食材を配置し、いざというときに使いやすいようにレイアウトを考え、以前の倉庫と比べかなりすっきりと分かりやすくなりました。
去年、今年と非常用ミネラルウォーターが期限切れとなり、新たに購入したものは賞味期限が、500mlタイプは10年、2Lタイプのものはなんと15年と今までの5年から大幅に期限が長くなりました。
購入額は高くなりますが、五年毎のロスがなくなり、在庫管理もしやすいため、総合的に見てかなりリーズナブルになると考えています。ただし、15年以内に大地震等災害が起こらないことを想定しての話ですが・・・水も食品も味や調理方法、期限などどんどん改良されており、病院食として適したものを取り入れていきたいと思っています。
ちなみに、過去に期限切れになった飲料水は2回分ありますが、手洗い、清拭、そして食品の湯せんなどに使用できるよう、”期限切れ”シールを張って別保管しています◎
今回は栄養管理室の災害委員が中心となって計画的に進めてくれましたが、スタッフ全員が食材の種類や配置が把握できるように倉庫の見学や保管場所の説明を聞いて確認しました。
災害はいつどこで起こるかわかりません。栄養管理室にも大きな機器や配膳車などが配置されており、危険な箇所がたくさんあります。各エリアの担当スタッフがそれぞれの危険箇所を把握し、いざというときに適切に避難して次の行動に移せるように日頃から意識を持ちたいと思います。
そして今後は栄養管理室だけでなく、災害委員会メンバーを中心に、他部署の職員さんにも災害食の保管場所や内容を知っていただきたいと考えています◎
2019.02.07 13:21|日記